正解がないのが知財

弁理士への相談を大きく分けると、手続的なものと判断が必要なものがある. 

手続的なものは、人が決めたルールに基づいて答えが決まる. 

正確な答えを導くためには、ルールの正確な記憶が必要なので、生身の人間に聞くよりAIに聞いた方がいい. 


これに対して人の判断が求められる相談はAIは無理. 

A弁理士に聞いた答えとB弁理士に聞いた答えが違うということは全然珍しいことではなく当たり前のこと. 


なぜ答えが分かれるのか. 

それは真に正しい答えというものがないから. 

だからA弁理士の答えも正しいしB弁理士の答えも正しい. 


地裁、高裁、最高裁で判断が二転三転するのと似ている. 

地裁の判断が間違いで最高裁の判断が正しいということではない. 

制度上、上級審の判断を最終判断としているだけ. 


 弁理士に相談してもYesなのかNoなのかわからない、という声を聞く. 

弁理士の立場からすれば、そもそも真に正しい答えというものがないのだから玉虫色の答えになるのは仕方がない. 


それでも鑑定という仕事になれば侵害か非侵害かという答えを決めている. 

だが、よく読んで欲しい. ○○という条件なら侵害、□□という条件なら非侵害という構成になっていることに気がつく. 

因果関係を自分で決めているのである.