弁理士は中途半端がちょうどいい

インハウスとして働く弁理士が増えているのだけど、インハウスでは「弁理士」は育たないと思っている. 


メーカの研究者は自分の専門を深耕して頂点を目指すプロフェッショナルであるのに対して、弁理士は知識の深度は深くないものの広い知見をもってプロフェッショナルな発明者に接する職業である. 


広い知見を持つからこそ研究成果を異なる角度から観察して拡がりを持った技術的思想である発明に昇華させることができる. 

広い知見は、日々、異業種異分野の発明に接しながら積み上げられた経験に基づくものであるから、単一業種単一分野という環境にいては育まれない. 


この環境は企業ごと技術分野ごとに担当分けしている大規模な特許事務所も同じである. 


あれこれ手を出すことを中途半端として忌み嫌う世の中になり、弁理士も一極集中高い専門性を持ちたがるようだけど、弁理士は特定のものに染まってはいけない. 


ふらふらした中途半端なくらいが丁度いい.