モノを買ってもコンテンツは自由に使えない


遠くないむかしのこと、

著作物とモノは同じでした。

小説と本、

音楽とCD、

絵とキャンバス。

小説や音楽や絵を買いたければ、

本やCDやキャンバスという「モノ」を買うことで実現できます。


モノを買えば自分のものになります。

だから小説や音楽も絵というコンテンツも自分のものになったような気分になります。


でもモノを買っても小説や音楽や絵というコンテンツは自分のものになりません。

コンテンツは著作権という権利で守られているから。

「モノ」と「コンテンツ」は違うから。


「モノ」と「コンテンツ」が違うということを簡単に確かめることができます。

最近、小説や音楽を買うときに、本やCDを買っていますか?

本やCDを買わなくてもコンテンツを買うことができます、そうダウンロードという方法によって。

小説をKindleからダウンロードする、

音楽をSpotifyからダウンロードする。


モノとコンテンツは別なのです。

モノだと思っていたコンテンツ、実はモノではなかったのです。



これと似たことがお金でも起きています。

100円玉を持っている人は100円分の通貨の価値を持っています。

10000円札を持っている人は10000円分の通貨の価値を持っています。


でも本当は100円玉に100円分の価値があるのではなく、

100円分の価値が100円玉にあると考えます。


でも100円分の価値は100円玉だけにあるとは限りません。

100円分の価値がポイントにあったり、

100円分の価値が商品券にあったり、

最近では100円分の価値がスマホのなかにあったり、

100円分の価値が1ドル紙幣にあるときもあります。


100円分の価値が100円玉にあるというのは、そうやって国が決めているだけです。

100円分の価値と100円玉はたまたま結びついているだけです。


モノを買ってもコンテンツを自由に使えない理由、それは、

モノを買ってもコンテンツを利用する権利を買っていないから。

コンテンツを自由に利用したいなら、

コンテンツを利用する権利を買わなくてはなりません。