設計図を無断でコピーしても著作権侵害にはならない

設計図を無断でコピーされたので著作権侵害で訴えたい。

気持ちはわかります。

でもその前に設計図が著作物かどうかを考えてみましょう。

もし、設計図が著作物でなければ無断でコピーしても著作権侵害にならないからです。


さて設計図は何のために書くのでしょう?

このことを考えてみると設計図が著作物かどうかを理解しやすくなります。


設計図の目的は、設計者が考えたプロダクトの内容を正確に伝えるためです。

プロダクトを製造する人は、設計図にしたがってプロダクトを作るので、当たり前と言えば当たり前です。

そして表現する方法も、設計者が勝手に表現するのではなく、製造する人でもわかるように、設計者と製造者が共通して理解できるルールに従って表現されています。


設計図が著作物であるためには、設計図が創作的に表現されていなければなりません。

でも設計図を創作的に表現してしまったら、製造する人は理解できません。


結局のところ、設計図は創作的に表現されていないことになり著作物ではない、という結論になります。


もし設計図の無断コピーを防ぎたいなら、設計図にイラストを描いておきましょう。

イラストを自分で描けば、それは著作物です。

著作物であるイラストが描かれている設計図を無断でコピーすれば、イラストの著作権を侵害したことになり、間接的ですが設計図の無断コピーを著作権侵害で訴えることができます。


コツは設計図とイラストを分離してコピーできないようにしておくことです。

設計図の背面にイラストの透かしを入れておくというのがいいでしょう。