172023.10契約がなくても守られる不幸契約が大切であることはわかっいるにも関わらず契約に対する意識が低いのはなぜか答えは簡単で、契約をしなくても守られるから日本にいると契約がなくてもそれに代わる法律がある契約に関する民法の第2章は521条から696条で構成されている第3章の事務管理が697条から702条、第4章の不当利得が703条から708条、第5章の不法行為が709条から724条の2に比べると...
302023.08輸入差止めをした権利者を訴えるのは筋が違う海外から商品を輸入しようとしたところ、税関で特許権侵害を理由として通関できず、商品の破棄や商品を販売できなかったことにより生じた損害を賠償しろ、という訴えが大阪地裁に起こされた.この事件はツッコミどころが多いので感想を書いてみる.無効理由があるにも関わらず輸入差止めの申立てをしたこと.出願発明が特許されるためには特許庁審査官による審査を受けなければならない....
132023.08弁理士とコンサルタントコンサルタントという職業が人気である.難しい分析を行い問題の原因を特定するというのが仕事である.果たして分析をしてもらい問題の原因を定量的にあぶり出すことを依頼者が望んでいるのだろうか.依頼者は問題を分析することではなく、問題を「解決」することを望んでいるはずである.弁理士のなかにもコンサルティングに触手を延ばす人が増えている.弁理士は権利化という目に見える...
042023.08経験しない知識は役に立たないむかしと違って今はほしい「知識」がすぐに手に入る時代.インターネット検索やWEB講義を利用すれば一歩も外に出ることなく「知識」が手に入る.誠に恵まれている環境がありながら、自分はこの環境を全く活かしきれていない.100の知識より1の経験.経験により得た知識こそが骨となり肉となり血となるのであって、経験しない知識は全く役に立たないと考えている.年相応になってそ...
282023.07特許権がなくなったら模倣自在になる「新しい製品を作ったので意匠権を取ったんだけど権利を維持できなくて消滅させてしまったんだ.権利がなくなった途端に模倣品が出回るようになったよ」知財制度の良いところと悪いところがわかる会話である.権利を取ることが模倣を許さないという意思表示であるのなら、権利を放棄することは模倣を許容するという反射的な意思表示になってしまう.はじめから権利を取っていなければ模倣...
262023.07中国で特許を取っても意味がない?という誤解模倣対策のためには中国で特許を取らなければならない、ということは周知されてきた.その一方で、中国で特許を取っても意味がない、という考えている人が圧倒的に多い.この結果、特許が必要なのはわかっているけど、「意味がない」から特許は取らないという行動に至る.言いたいことはわかるが、この考えを持つ人は、特許権が「私権」であることを理解していない.特許権は国から与えら...
052023.07生成AIを許容すれば著作権法は崩壊する法律で過去の問題を解決することはできるが将来の問題は解決することはできない.すでに起こった問題が蓄積され、そのような問題が起こらないように法改正をするのだから当然と言えば当然.ところがまだ起きていない問題に対応する法改正をしてしまったのが平成30年の著作権法改正である.「著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用」に対して権利行使を制限し、AIの...
212023.06弁理士はアイデアから権利を創るデザイナーであるアイデアを権利に変えるときに必要な特許明細書.特許明細書を創り上げるときにどこに情熱を捧げるかと言えば特許請求の範囲だろう.特許請求の範囲とは、こういう権利が欲しい、と意思表示するところである.米国ではI claimと宣言して意思表示している.特許請求の範囲の特定は、どんなに経験を積んだ弁理士でも最も頭を悩ませるところであり、また弁理士の個性が現れるところで...
212023.06デザインは機能に従う特許による保護を主張するときに、アイデアを機能で表現することがある.意匠による保護を主張するときは、その「機能」をデザインで表現する.特許も意匠もアイデアを機能で特定する点で共通し、特許は機能を文章で表現し、意匠は機能をデザインで表現する点で相違する.特許と意匠はアイデアを機能に昇華させて文章で表現するか、アイデアを機能に昇華させてデザインで表現するかの違い...
122023.06人もビジネスも見た目が9割人の外見は能力に比例する.そんなことはないと理屈では否定しつつも見た目の印象が大事であるという事実は否定できない.人に当てはまる見た目9割はビジネスにも当てはまる.同じ人間がビジネスを始める場合、個人事業としてやるのか、代表取締役となってやるのか.ビジネス自体を評価するのだから個人事業だろうが法人だろうが関係ないというのは理屈ではそうだろう.しかし人が興味を...
312023.05特許の断捨離は諸刃の剣直接利益に結びつかない(と思われている)特許は経費削減のターゲットになる.実施していないという理由で特許の維持を断念することは一見合理的に見えても自分の首を絞めることになる.実施していないから不要という内輪の視点からではなく、この特許があることにより困る競合他社がいることに気づいて欲しい.研究開発で生まれる発明の全てが製品に寄与するわけではない.しかし製品に...
302023.051つの特許で出来ることは融資しか思いつかない1つの製品を1つの特許でカバーすることはできない.医薬品を除けば1つの製品は複数の技術の寄せ集め.特許を取って何をしたいのか.事業のための特許なら1つではなく多数.点の特許ではなく面の特許を取らなければならない.特許は金と時間がかかる.どのようなポートフォリオを構築するかを考えておかないと刹那的な特許出願になるだけである.これから特許戦略を進めていくのであれ...